任意後見の事例

モデルケース 佐藤春子さんの場合

佐藤春子さん(70歳)は、現在アパートで一人暮らしをしています。独身で子はなく、親族は遠方に住んでいます。
春子さんは、これまで身の回りのことを何でも一人でやってきましたが、最近、ニュースで「認知症」や「孤独死」などの言葉を目にする機会が増え、自身の将来のことが不安になってきました。そこで、最寄りの社会福祉協議会へ相談に行ったところ、元気なうちに将来の不安に備えて契約できる「任意後見制度」という制度があることを教えてもらいました。春子さんは「任意後見受任者」になってくれる人に心当たりがなかったため、社会福祉協議会から、長期間の支援が可能な「法人後見」を行うライフサポート東京を紹介してもらいました。

らいさぽの対応

春子さんは、ライフサポート東京の事務所へ行き、担当者となる頼佐保太さんから「任意後見契約」について詳しく教えてもらいました。頼佐保太さんは、春子さんと何度も打ち合わせを重ねて、将来の不安を聴きとりました。その結果、元気なうちは毎月定期的に訪問してくれる「見守り契約」と、認知症に備える「任意後見契約」、そして亡くなった場合に様々な事務を行う「死後事務委任契約」、さらに死後に残る自分の財産を自分のような支援が必要な方の福祉に役立ててもらえるよう社会福祉協議会へ寄付したいとの「遺言」も作成することにしました。頼佐保太さんは、春子さんの希望を汲んだ文案を作成し、春子さんと最寄りの「公証役場」へ行き、春子さんとライフサポート東京の間で「任意後見契約」「生前・死後事務委任契約」を締結し、「遺言書」を作成しました。

春子さんは、定期的に頼佐保太さんに訪問してもらい、日常の様々な相談にのってもらい、信頼関係を育んできました。そして、「任意後見契約」を締結してから10年の歳月が流れたころ、春子さんは預金通帳を紛失してしまったり、友人との約束の日時を忘れてしまったりすることが多くなり、不安を感じるようになりました。そこで頼佐保太さんに勧められて病院に行ったところ、軽い認知症であるとの診断を受けました。
春子さんと頼佐保太さんは家庭裁判所で申立て手続を行い、家庭裁判所により「任意後見監督人」が選任され、「任意後見契約」が発効しました。

その後

頼佐保太さんは、春子さんの任意後見事務の担当者として、春子さんの預金通帳を預かり、定期的に春子さんのご自宅を訪問して生活費をお渡し日常生活を支障なく送れるように支援しました。また、春子さんに代わって年金・税金等の手続きや介護サービス契約を行ったり、体調が悪い時には病院に同行して医師の説明をうけたりして体調なども見守ってくれました。

春子さんは、頼佐保太さんの支援で日々の生活を安心して過ごせるようになり、亡くなった後の手続きも依頼してあるので将来の不安も軽く、穏やかな気持ちで人生を送れそうです。

この事例は複数の事例を組み合わせるなどして構成したものであり、実際の事例とは名称、年齢、地名等は異なります。

ご相談・お問い合わせはコチラです