見守りの事例
モデルケース 渡辺進さんの場合
渡辺進さん(65歳)は、都内のアパートで一人暮らしをしています。妻は10年前に亡くなり、子どもはいません。親族としては、群馬県の実家に甥の渡辺宏司さんが住んでいます。60歳で定年になった後、シニア絵画教室に通って、創作活動を始めました。進さんは、心身ともに健康で不安のない日々を送っていました。
ところが夏のある日、進さんが公園で写生をしていたところ、熱中症になって倒れ、救急搬送されてしまいました。進さんは、看護師から大事をとって2日ほど入院して様子を見た方が良いとのことので、入院手続きが必要だが、身元保証人となる親族がいるか尋ねられました。遠くから申し訳ないと思いながら、甥の宏司さんに連絡して、入院手続きなどを頼むことにしました。宏司さんは、仕事を抜けてすぐに群馬から病院に駆けつけてくれ、入院手続きをしてくれました。
宏司さんは「大事にならず良かった。でも、ちょうど仕事が忙しくなかったからすぐ来れたけど、いつも来れるとは限らないよ。誰か、近くに頼れる人はいないの?」と聞きました。進さんは「知人はみんな同じ年頃か年上だしな。」と答えると、宏司さんは「そうだ。ぼくの友人が高齢者の支援団体に所属してるんだ。きっと力になってくれるよ」と、ライフサポート東京の会員頼佐保太さんに連絡を取ってくれました。
らいさぽの対応
頼佐保太さんは、さっそく次の日に病院へ訪問してくれ、宏司さんと進さんから話を聞きました。そこで、頼佐保太さんは、ライフサポート東京と「見守り契約(生前事務委任契約)」を結ぶ提案をしました。進さんは日常生活には全く問題がないので、日頃は定期的に頼佐保太さんと連絡をとって困ったことがないか生活相談を受け、困ったことや入院や事故など緊急の場合にだけ、事務手続きなどを支援してもらいます。心身が健康な今はまだ、介護や認知症のことまでは考えられないし、万一進さんが亡くなったときには、甥の宏司さんが唯一の相続人として死後の手続きを行い、群馬の実家の菩提寺に納骨してくれるとのことです。
進さんは退院したあと、ライフサポート東京と相談した通りの契約を結びました。
その後
契約から半年が過ぎ、進さんは、頼佐保太さんに定期的に連絡し、元気に日常生活を送っていることを伝えています。進さんは頼佐保太さんを信頼するようになり、定期連絡以外にも一緒に美術館へ行ったり、描いた作品をプレゼントしたり、とても良い関係を築いています。何かあったときには、そばに駆けつけてくれる心強いパートナーを得て、進さんは安心して創作活動に打ち込めるようになり、充実した生活を過ごしています。
この事例は複数の事例を組み合わせるなどして構成したものであり、実際の事例とは名称、年齢、地名等は異なります。
